蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

 『カフェー小品集』の喫茶店巡り5店目、「ヴィオロン」に行ってきた。
 とても静かな雰囲気の中にピアノ曲が響く。スピーカー近くの年輩のお客さんは目をつぶって聴き入っているようだ。入り口近くにいるお客さんはタバコをふかしながらときおり頭をかいて本を読んでいる。もう一人いる目の前のお客さんはこちらからは後姿しか見えない。後から三人連れで入ってきた若い人たちは静かに声を潜めて話している。さすが、名曲喫茶
 僕が注文したのは紅茶とレアチーズケーキ。「ブランデーをかけますか」と聞かれとっさに断ったが、後から来た三人組は皆ブランデー入りを頼み口々に香りがよいと言っている。そうなのか。次はそうしよう(とおもったけど結局、二杯目を頼んだときブランデー入りにした)。
 この店に来るまでの駅から道のりも刺激になった。出掛ける場所と言ったら、池袋、原宿、渋谷、代官山、そしてもちろん職場くらいなので、東京の街はそれ以外ほとんど知らない。それでも、何か阿佐ヶ谷らしいというか、何処とも違う雰囲気を感じた。
 名曲喫茶なのに堂々と喋ってる人がいた。そういうものなのか? せっかく、フォーレのレクイエムをリクエストをしたのにな。
 いろいろイベントがあるみたいなので、行ってみようかなと心惹かれていることに気づいた。宵待草も8月の閉店までにあと2・3回は行っておきたい。まだ、ミニヨンもミルクホールもある。としまえんのカルーセルも見に行きたい。なんだ結構やる気がでてきたじゃないか。
 しかし、冷房だけには気をつけないと。冷えて冷えて仕方がない。あ、記念にと伝票をもらってきた。