蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

 家の裏手の駐車場で、小学校のときのあまり親しくはない同級生にばったり再会。しかし、彼女はどこか怯えていた。馴れ馴れしく話し掛けられる。一緒にいてほしい、と。何か怖い目に会っている気配が感じ取れたので同意し、行動を共にしようとすると、「見つかった」と蒼白な顔をして彼女は言った。
 僕らは恐る恐る歩いていくと明らかに怪しい人物が、僕らを追いかけてくる。方向を変えて逃げようとすると、またそちらからも別の怪しい人物が。振り返って後ろにいる同級生に何者か尋ねても答えない。仕方ないので彼女の手を引いて走って逃げる。その日は何とか巻いてやり過ごした。落ち付いたところで再び尋ねると、恋人とその友人なのだという。余りにも束縛が強く、今日は喧嘩になったあと逃げ出してきたそうだ。その日は携帯電話の番号とメールアドレスを交換して別れた。
 後日。家まで来て欲しいと彼女から電話がかかってくる。出向くと人の頭ほどの大きさのある林檎の形をしたオブジェを運ぶのを手伝うのを頼まれた。僕は承知してそれの一つを手にし目的地の高校へと向かう。
 すると道すがら、先日の二人に見つかり追いかけられる。僕らは走って逃げ、僕の家に駆け込む。家は空で両親は出掛けているようだ。
 追手が来た。なんと家の合鍵を持っていて開けてきた。チェーンがないので扉を開けられまいと必死に力で抵抗する。しばらくしたあと、観念して外に出た。どうやら向こうは僕が彼女の浮気相手ではないかと疑っているようだった。僕は違って彼女とはやましいことはしていませんと言う。尚も疑いの目で見られたがその場は収まった。
 その後、帰宅すると父がすぐに帰ってきた。フクロウをみたぞと自慢気に話し始めた。