蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

願い事

 理想を押し付けてた。笑わなくていい。かわいくなくていい。求め合う二人なら考えるまでもないのだから。暖かくなったら、髪飾りをあげよう。鏡を見て僕を思い出して。
 隣に居るときの沈黙は怖くないけれど、遠く離れたこの沈黙は吹雪のように白くて暗い。
 「さよなら」を交わしても、言葉を尽くして、世界を埋めて進んでいく。後ろ向きだけが取り柄。やがて全てから見放され、愛想をつかされるときがくる。誰も僕に期待なんかしてはいない。ただ温情から、視界の隅に入れていてくれた。その日が来る前に、見限られる前に自ら破り捨ててしまうのだ。そうすれば心は痛まない。安心して人間を辞められる。
 もしもこの世に僕の理解者がいるのなら、何処へでも会いに行く。行ってあなたを落胆させ、僕は孤独に頼る。どうしようもない天の邪鬼。
 見返りなんて要らない。好きです。それだけだよ。付き合うとか恋人関係は二の次。純粋に好き同士でいることが如何に素晴らしいことか。今夜も闇に祈る。