蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

所謂好きなタイプの話

 どんな人に恋をするのかという問いがあって、食事の好みが合う人とかよく食べる人とか答える人たちがいる。
 僕も食事の相性は大切だと思う。ただ、角度が違う。僕はあまり人と食事をしたくない。何故なら、よく食べる人を見るのが嫌だったり自分の食べているところをあまり見られたくなかったりするから。
 食べることが好きという人に合わせるのが嫌で、又、自分の育ちの悪さを露呈させたくない意識があるのだろう。
 実家で母の料理を食べて、「美味しい」とは感じる。だが、そこから何を食べたいとか何処そこの何をたべたいとか発展しない。グルメ番組など視聴対象外。
 食にこだわりがある人とは付き合いづらいけれど、それが即嫌いになるわけではない。折り合いをつけるのが面倒で、付き合いが億劫になるのは明らかだが。
 僕は自分と違う人をすべて異文化人とラベル貼りして、交流が酷く難しいと理由をつけて、諦める方向に持って行きがち。見限られるのが怖いから、自分から進んで嫌われるようなことをして突き放して、予定した不幸を得ることで安心している。
 人付き合いを絞って絞って。でも、逢いたい人には素直に伝えられていると思う。恋愛の意味でなく、「好き」な人に対してはわりと心を開けているんじゃないかな。