蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

 チャイム

 夕立のあと陽は西に沈む。涼しい風が狭い窓から流れ入る。
 軽くそよぐ黒いレースのカーテン、点灯していない照明。重ねた帽子。ぼろぼろの椅子。ハンガーラックに詰められたシャツ……。
 すべてがそっぽを向いている。僕の事など興味ないんだ。
 光が煩いから、夜中が待ち遠しい。