蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

 逃げ出したい。そして僕を猫のように可愛がってくれる女性の庇護下で甘やかされて暮らしたい。喜びも幸せも見つけられない毎日。ただ苛々して腐っていく。全部自分が悪いのは当然。だが具体的にとなると何処から手をつけてよいのやら。否、結果しか見ていないからだ。なりたい未来ばかり見ていてちっとも歩き出さない、歩いて疲れるのを嫌がっているのだ。別にまだ死ぬほどのことじゃない。
 でも、毎夜のようにこのくだらない自分が惨めで情けなくて死に行き場を求めてしまう。
 世界の歩き方がわからない。だから、新しい神様と世界を創る。形而上で。益々、内向的に、殻は厚く好きな人たちだけをそばに。
 人が怖いと言ったって、その人に認められたくて、愛されたくて、好きで。妖怪に対しては抱かないわけだから。
 誰か、僕の目を覚ますべく、肩を揺すってくれませんか。