蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

経済学のこと

 『人は意外に合理的』を読書中。差別には二種類あって一つは狂った考えによる差別、もう一つは“合理的な”差別。ここで注意したいのは、合理的の意味。決してそうすることが「正しい」という意味合いはない。ただインセンティブに従って行動しているということだ。労働市場を例に出すと、偶然とある集団(供給)の能力の平均値が低いとき、企業(需要)はその集団からの採用数を低くする。言い換えると、差別する。更には、その集団は能力をあげようとする努力を減らし平均値を押し下げるように自己強化してしまう悪循環がついてくるという。人種差別が最たる例。


 経済学を一言で表すと、で覚えているもの。
・インセンティブ(誘因刺激)
・貴重な資源の最適な配分
 どちらかというと、前者はミクロ視点で後者はマクロ視点だ。二つは切っても切れない関係にある。
 先に例示したように合理的に行動する個人を放って置いたら差別や公害などが発生してしまうから。逆もまた然り。最適な配分を考えるときにインセンティブは無視できない。差別はダメ、公害はダメなどと理想を押し付けるだけでは解決しないから。
 良い本に出会ったな。