蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

ロマンス

どうせ死ぬのだ。ねむるようなよいロマンスを一篇だけ書いてみたい。
太宰治「葉」より

 ロマンスでは、お腹が膨れない。暮らしに必要なものじゃない。
 それでも、求めている。わたしも、あなたも。
 枕元に置いておける、「ねむれるようなよいロマンスを」書きたい。否、書きます。
 一篇だけと言わず、いくらでも書く。そうしたら、きっと最後にはよいものが一篇だけ残るのでしょう。それが、わたしの遺書です。