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蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

近江舞子の週末Amazonでポチってこれ読もう No.2(前編)

読書

舞子:こんばんは。近江舞子です。「近江舞子の週末Amazonでポチってこれ読もう」、始まりました。
この企画は夜、眠る前にTwitterでぽちぽちしていたときに、「伊集院光の週末TSUTAYAに行ってこれ借りよう」の小説版をやりたいなと思ったのがきっかけです。
わたしの読書の幅を広げたい、文章技術を向上させたいという極めて利己的な動機が発端ですが、わたしに向かって推薦してもらうものではなく、ゲストが大好きだと声を大にして叫びたいものを選んでいただいています。
さて、今回はゲストにタイトルと見どころをうかがう、「これ読もう」編です。
今回のゲストは、めぼし影星さんです。
こんばんは。


影星:こんばんは。お誘い有難うございます。


舞子:実は、別に我々は仲良しというわけではないんですよね。Twitterでたまーにやりとりするくらいで。でも、わたしは距離を縮めたいなと思って誘いしました。


影星:そうなんですね。ただ、オファーは有難かったのですが、いざとなると申し訳なくなって来まして(´・ω・`)


舞子:いや、気楽にどうぞ。わたしが思う影星さんは、一言で表すならば「映画通」なのですが、自己紹介を兼ねて普段どんな活動をしているか教えていただけますか?


影星:そうですね……自己紹介ということで言うなら「発達障害者@断酒中」ってところですね。ただ、さっきの申し訳ないというのと繋がって来るんですけれど、引き受けたはいいものの自分はそんなに本を読んでるわけでもないし、本が好きかと言われるとそうでもないんです……。


舞子:そこは大丈夫です。本家の「伊集院光の〜」のほうでも、映画を好きかどうかわからないけれども、コレだけなら語れる、っていうゲストは登場しますから。


影星:ああ、そうなんですね。なんか恥ずかしいな……つくづく自分は本がキライなんだなと思いながらブライアン・エヴンソンの『遁走状態』を読んでたんですけどね(´・ω・`)


舞子:断酒はいかがですか? ブログに書いていらっしゃった、「断酒会の仲間を裏切れない」という言葉が、わたしは強く心に残っています。


影星:断酒ですか……辛いといえば辛いですね。なんと言うのかな……今年の四月に偏頭痛で倒れて、それで二十年間呑み続けて来たお酒とおさらばする覚悟というか、腹が決まりまして。それで断酒会と繋がって今に至るという状態ですね。ひとり断酒は続かない、って言われたんですけれど、本当にその通りだと思います。


舞子:そういう経緯があったんですね。知りませんでした。


影星:そうなんですよ。恥ずかしいな……明日も断酒会なので、行こうかなと。


舞子:恥ずかしがり屋さんなんですね。


影星:いや、こういう機会はなかなかないので……。


舞子:そうですね。今は聞き手として楽に考えていますが、もし、自分がゲストに招かれ語り手となると考えたら…… 恥ずかしいかもしれません。ちなみに今、BGMとして何か音楽は流していますか?


影星:BGM ですか……ナンバーガールの「Omoide In My Head」を聴いています。『サッポロ OMOIDE IN MY HEAD 状態』に収録されたものです。


舞子:ナンバーガールは、昔ちょっとだけ聴いていた時期があります。違う曲ですけど、“気付いたら俺は夏だった”というフレーズだけ記憶にあります。


影星:その歌詞は聞いたことあるんですけど、曲名が出て来ないな……すみません。さっきまで読んでたブライアン・エヴンソンの影響で脳が上手く働かない(´・ω・`)


舞子:まあ、瑣末なことなので置いときましょう。


舞子:本題に行きましょうか。影星さんが紹介する小説は?


影星:そうですね……吉田知子氏の『お供え』ですね。短篇集です。


舞子:

お供え (講談社文芸文庫)

お供え (講談社文芸文庫)

これですね。


影星:ああ、そうです。これですね。


舞子:短編集なので、全体がどんなお話か言い表すのが難しいと思いますが、どんな作品群なのでしょうか?


影星:ええと……なんとも言いようがないですね。取り敢えず大雑把に言ってしまえば日常が異質なものに変わる、というような、そんな感覚を味わわせてくれる作品群、と言えます。……説明になってるかな(´・ω・`)


舞子:大丈夫です。では、ここから三つの「ここ読んで」ポイントを挙げていただきましょう。


影星:実はこれが一番今回のお話を聞いて悩んだ部分なんですよ。ひとつ目はさっき言ってしまったことの繰り返しになるんですけれど、先が全く読めない不条理な展開で成り立っている、っていうことなんです。表題作は玄関を開けたら缶に挿した花が置かれている、という出来事から始まります。それが次第にエスカレートしていって、最後はとんでもないことになる、という。『世にも奇妙な物語』っぽい、っていう感じですね。


舞子:『世にも奇妙な物語』という例えがあるとわかりやすいですね。


影星:そうですね……テーマソングをまず鳴らして読み始めたら面白いかもしれないです。


舞子:では、二つ目は?


影星:ふたつ目はですね……最後の「艮(うしとら)」という話だけ例外になるんですけれど、血縁というか親類縁者が関わっているという共通項があることに気づかされます。血の繋がりが深く関係していることに気づかされるからこそ感じられる独自の息苦しさがあると思うんです。


舞子:おお。わたしは血縁なんてFUCKだぜ、と思っているので、どんなふうに映るか楽しみです。


影星:そうなんですか。まあ、私もあまり親類とは仲良くありませんが(´・ω・`)


舞子:ちょっと、話はそれるのですが、なぜFUCK血縁なのかと申しますと。わたしには姉と兄がいまして、彼らとは母親が違うんです。異母兄弟というやつですね。父の連れ子ふたりを、いきなり初婚のわたしの生みの母が育て上げたわけです。だから、血の繋がりなんか無くたって、親と子は繋がれると思うのですよ。


影星:うーん……うちはそこまで複雑ではないんですが……まあ強いて言えば私の場合姉と十五歳、兄と十二歳年齢が離れてるから物心ついた時にはもうふたりとも家を離れてて、私はひとりっ子同然で育てられた、っていう……そんな事情がありますね。幸運なんでしょうけれど。


舞子:そこ、似てます。姉とは十三歳、兄とは十一歳離れていて、わたしが小学校を卒業するまでにふたりとも結婚して家を出ていってしまったので、わたしも一人っ子みたいな感じでした。


影星:ああ、そうなんですね。なんとも申し上げにくいな……私の場合どうして自分が産み落とされたのかなあ……ってぼんやり考えてた時期がありますね。もしかしたら余計な子どもだったのかな……なんて。


舞子:話がだいぶ脱線してきてしまいました。わたしのせいで。元に戻しましょう。三つ目のポイントは?


影星:三つ目はですね……土俗的な怖さ、というものがあると思います。これは偏狭なナショナリストっぽい表現であまり使いたくないんですけれど、梅干しと米飯の国で生まれ育った人が共感出来る感覚っていうものがあるのかな、と。だからもし海外の読者がこの小説を翻訳されたものを読めば、魔術的リアリズムっぽいものとして捉えるのかもしれないな、と思いますね。


舞子:ほー。わたしは外国の小説(勿論、翻訳されたもの)がなぜか苦手でして、そういう部分では馴染めそうです。


影星:そうなんですか。私も翻訳小説というか俗に言われる「ガイブン」にはとんと無知なもので(´・ω・`)


舞子:なんかつっかえてしまって読むのが辛いんですよね。あと、単純に文化面が理解できず、頭に入り辛いのかも。


影星:そこは翻訳者との相性なのかな……さっきまで読んでたブライアン・エヴンソン『遁走状態』は柴田元幸氏の訳だったからなのか、結構面白く読んでました。


舞子:そうかもしれませんね。小説でない翻訳物、例えば経済学の本だと山形浩生氏の翻訳したものはスイスイ読めますね。


影星:経済学は苦手ですね……山形浩生氏の訳は面白いと聞きますが。ポール・クルーグマンの本とか。


舞子:面白いです。しかも、ウェブで無料で公開しているものも多数あるので、もし興味があれば試しに読んでみるのもいいかと。


影星:有難うございます。読書の幅を広げてみたいです(・∀・)


舞子:さて、ポチりました。読むのが楽しみです。本の紹介はここまでとしまして、影星さんからお知らせや言っておきたいことなどがあればどうぞ。


影星:お知らせというのは特にないんですよ(´・ω・`) 小説も書いてないし……ひたすら断酒の日々が続いています。それで結構 HP を削られています。あとはブログをボチボチ続けていることくらいかなあ……。
http://sugarman.hatenablog.com/
そうですね。それくらいかな……無為と言えば無為、平和と言えば平和な日々が続いております。


舞子:あ、そちらのほうのブログは把握していませんでした。


影星:ああ、そうなんですね。まあ、気まぐれなんで元(?)のブログに戻るかもしれませんが、一応リンクしておきます。
http://popscene.hatenablog.com/


舞子:そんなところでしょうか。では、お互い二週間後までに読んで、感想を語り合いましょう。


影星:分かりました。なんか、いいのかな……いやホントに、さっきまで読んでたブライアン・エヴンソンが強烈だったので、説明し尽くせた自信がないし、暑さで活字を追う気力もないし、さっきも申し上げたんですが元々そんなに読書が好きかと言われると大したものも読んでないし……なんか、情けなくなって来ましたが(´・ω・`) これが切っ掛けで吉田知子氏の『お供え』を手に取る方が増えると嬉しいです。