蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

フランフランのイメージ

 お洒落なファッションビルの中のインテリアを扱っているお店。僕はどうやら図々しくも、そこのベッドで眠っていたようだ。天蓋付きで、お姫様が使うようなの。なんとも夢のあるものだな。
 上半身を起こし辺りを見渡すと、全体的に薄いピンク色で調和がとれた空間だと気付く。例えるなら、八畳一間くらいの生活感のある部屋だ。中央は長いカーテンで仕切られ、また家具も多く、床は人が一人通れるほどの幅しかない。狭いなと感じた。
 その部屋を出ようとベッドから降り歩き始めると、未就学児くらいの年齢に見える小さな女の子がこちらに駆け寄ってきた。明るい色でフリルの付いたワンピースを着ている。僕は彼女の目の位置に合わせるように屈んで、話し相手をする。少したったとき、その子の母親がやって来て、僕に礼を言った。
 微笑ましい体験をしたと嬉しくなりつつ、その場を後にした。