蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

 死にたくなるのは、案外こういうときなのかもしれない。交遊関係とか文芸作品とか食べ物とかに、ちょっとした、いや、普段では思い至らない喜びを見つけて、それでも、僕は愛し愛される人間ではないのだと絶望する。
 皆さん心配してくれます。僕ごときに声をかけてくださる、うんと優しい人たちがいます。悲しいかな、それが救いにならない。どうやら僕はそちら側には行けません。さりとてどうなってもよいなどという豪胆な覚悟はないのです。
 もう疲れました。どうして誰も「一緒に死のう」と言ってくれないのですか? 幸せになりたいです。独りは嫌だ。