蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

服部正『アウトサイダー・アート』

アウトサイダー・アート (光文社新書)

アウトサイダー・アート (光文社新書)

 読了。
 所謂「障害者」に多く見られる、美術教育を受けていない人が創作した美術作品を、著者は“アウトサイダー・アート”と定義する。描かずにはいられない、“描きたいから描く”という衝動がアウトサイダー・アートの源なのだという。特に感銘を受けたのが以下の文。

 ここで私が思い出すのは、福祉施設に通うある男性のことだ。自閉症という障害をもつ彼は、日々の生活においてさまざまなこだわりをもっている。そのひとつは、バスの座席についてのこだわりだ。バスの一番前に座りたい彼は、その座席が空いたバスが来るまで、何台でもバスを見送り、家に帰ろうとしない。福祉施設からすれば、彼のその行動は「問題行動」と呼ばれるものである。だが、この話を聞いた時に、なんとエレガントなバスの乗り方だろう、と私は思った。日常生活の中で、自分の楽しみのためにそこまで徹底して時間をコントロールしている人がどれほどいるだろう。通勤時間のラッシュ電車に身を押し込めている自分自身を思うと、彼のバスの乗り方にはアートの匂いがする。

 僕も同感だ。これに共感をして、というか真似てみたいという思いが強くなって昨日寝る前のエントリーを書いた。
 今、『ソフトマシーン』を読んでいる。ストーリを追うのが難解だ。でも、斬新なので一応がんばってみる。