蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

全てこの雨で流れてしまえばいいのに

 悲しいとか苦しいとか言ってくれないほうがやっぱり辛いね。街の夜は優しいから、いつも甘えてしまうけど、気づいたよ。顔が見えない亊それ自体が何物かを表しているって。置き去りにされ振り返られない過去にすがる僕は胸がいっぱいだ。
 さっき『ちいさな王子』を読み終えたよ。この物語が星に意味を持たせたように、近いものや影を愛でれば、甘い香りとともに思い出は溢れ出すんだね。わざわざ切りよく諦めようとしない。迷惑かけたって――そちらのほうが好ましくないのは明白だけれど――想い続ける。