蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

 そろそろあれだな、と思った。何もなしていないが、それまでの人間だったのだろう。念願の太宰の墓参りはできた。墓前で手を合わせたところでそこに魂や霊があるわけでなし、自己満足である。力を貰ったような気になれればそれでよい。こんなもの最悪じゃない。いくらでも下へ転がっていけるし、上にだってのぼれる。ただ動かないだけ。重力に、人間の、否、僕自身の弱さに流され身を任せているから悲しくなる。きっともう充分足りてる。自己顕示欲の発露を今日も求めて。