これに載っていた、『絵本』という小説を読んで強いロマンへの想いがこみ上げてきました。
ある日、男の元へ絵本と手紙が届く。手紙は余命わずかの友が書いた、毎日のように見舞ってくれた男へ向けた感謝の遺言だった。それは男が結婚し子どもを儲けたらその子のために絵本を贈ってくれるよう友が両親に託したというもの。説明下手でごめんなさい。だいたいそんなかんじ。
その絵本というのが『ももたろう』なんです。一般的に贈り物に選ぶならもう少ししゃれたものを選ぶと思うんですが、病床の男(友のほう)が理由を告げず、母親に三歳の子が読むような本を買ってきてくれと頼んだから『ももたろう』になってしまったんです。
それがなんかもう泣ける。素朴というか土臭いというか。だからこそこの話(もしかしたら実話?)がいいんです。