蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

 少女は夢を見ていた。
 雪が降っていた。白い世界。灰色のビル群。モノクロ映画がそこにある。景色が冷たく透き通る。ガラスのような脆さや、せせらぎのような穏やかさがわたしを追い詰める。一歩踏み出せば狂気。二度と帰らない時間。星に打たれゆっくりと朽ちていくのだ。