蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

【告知】『葬列』

 十二月五日に文学フリマで発売する新刊の短編集『葬列』の感想を黒澤丙さんからいただきましたので、公開します。

 孤獨な人間が織りなすヱゴヰズム、理想への渇望、往々にして孤獨は寂しく、そしてそれ故に残酷な遊戯を想い付いては哄笑の聲をあげて嗤う。

 嘘を吐く事で自分、そして関わる人を守ろうとする一見すると哀しい孤獨の様でもそれは酷く優しい。そして人間の様に、或いは動物的な本能のみに突き動かされる神や、自分でさえ気付かぬうちに新たな人格を創り出して仕舞う悲愴な心。
 
 全ての作品が輝いて居て、どの小説も読み手の心にじんわりと染み入るような優しさと同時に、孤獨とヱゴの鬩ぎ合う、或いはどちらに転んでも可笑しくはない程の危うい均衡。
 その調和が見事に保たれた世界観は本当に素晴らしいと想います。