蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

オマージュ「喝采」

 走る、長い道、地平線は何処にある、わからない、息も絶え絶え、脚は痺れ、肺は痛み、肩で息をする、余りにもみっともない有様を晒し、それでも行かねばならない、わたしは約束をした、彼女の元、太陽が照らす所、陽だまりの中できっと待っているから、これは義なのだ、裏切るなどもってのほか、己に言い聞かせ、膝に一旦置いた手を振り上げ、拳を高く突き出し、もう一度歩み出す。さよならの一言を伝える為に。