蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

 病に苦しむ人がいる。彼を健康にするには。
 例えばそれが胃潰瘍だとする。まず、対症療法として薬を使う。
 対症療法はその場しのぎで問題の先送りでしかないとあなたはいうかもしれない。
 とんでもない。一旦、その場をしのがなければ命に関わる。
 薬でその場をしのいで、さて、それで終わってよいだろうか。
 よいわけがない。胃潰瘍に至った原因を取り除く必要がある。
 心労かもしれないし、食生活かもしれない。環境や生活習慣を変えていくことで根本から治すのだ。
 ただ、病気に限らない話で。
 経済。今、偉い人たちは将来の財政破綻を怖がって、対症療法であるところの財政政策という薬を使おうとしない。
 苦しんでいる人たちに薬を与えないで、節制ばかりさせようとする。
 どうか、目の前の痛みを無視しないでほしい。
 変えていくのは痛みが止まってからでも遅くないのだから。