蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

杉井光『楽聖少女』4巻

・記憶が偽物だとしたら? というユキの問いに対するルゥの答え

「こしらえものだって別にかまわないだろう。過去なんて未来のためだけに存在するんだよ。人々はぼくが過去に成してきたものを認めているから、ぼくの新作に期待とお金を寄せてくれる。ぼくも自分が過去に成してきたものに誇りを持っているから、自信満々で新しい曲を書ける。ぼくにとって過去の意味はその二つだけ、不安なく創作するための土台にすぎない。過去が虚構だったからって、これからもぼくが音楽を生み出し続けることに変わりはないよ。花壇の土だろうが、人跡未踏の森の土だろうが、種は芽吹いて花を咲かせるだろう?」

・ユキが、死を意味するメフィとの契約満了である「ファウスト」の完成を進めたがっているかのように聞こえたことについて

「自分を表現したいとか知ってもらいたいとかそういうんじゃないんだ。ただ単純に、それがいちばん面白くなるんだよ。自分自身ってのは最高の材料なんだ。だから使う。それだけ」