蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

希望の泉 (Source d'espoir)

 例えば、信号交差点で自動車と歩行者の接触事故があったとする。警察による取り調べとか、裁判とかで、その場に偶然居た見ず知らずの第三者がふたりが証人となったとする。
 そのうちのひとりは、後続の自動車のドライバー。もうひとりは、歩道に立っていた人。
 同じ第三者ではあるが、片方にはドライバーという立場があり、もう片方には歩行者という立場があり、バイアスがかかるだろう。
 これをもって、完全な第三者など存在しないと言えるだろうか? 客観は存在しないと言えるのだろうか?