蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

『臆病者のための株入門』

結局、持っていった本は読みませんでした。というのも、以前読んでおもしろかった『お金持ちになれる黄金の羽の拾い方』の著者によるこれを駅で見つけてしまったからです。

臆病者のための株入門 (文春新書)

臆病者のための株入門 (文春新書)

この本で一番画期的だったのは、

ギャンブルはうさんくさい。
株式投資はギャンブルじゃない。
だから、株式投資はうさんくさくない。

という論法をひっくり返して、

ギャンブルはうさんくさくない。
株式投資はギャンブルである。
だから、株式投資はうさんくさくない。

と言い切っているところです。ここでギャンブルとは「偶然のゲーム」という意味です。
僕自身も「リスク(経済学的な意味ではなく、危険性)はあっても、株式投資が株式会社をささえ広くこの世界をささえているのだ。」と考えてそっち方面に興味はありつつ「でも、ギャンブルと同じでうさんくさいよなあ。」と思っていました。

ギャンブルがうさんくさくない理由は、私たちの人生がうさんくさくないのと同じだ。だれも未来を知ることはできない。そんな不確実な世界の中で、私たちはみんな少しでも成功の可能性の高い道を選ぼうと努力している。生きるということが、そもそも偶然の積み重ねなのだ。

なるほど。ギャンブルがうさんくさく見えるのは、イカサマがからむからだとも言っていますが、僕はもう1つあるように思います。それは、「ギャンブルにはまって財産を失ってしまう人が後を絶たないから」という理由。昔、習いたてかなんかで「公営ギャンブルは損するだけであり、宝くじも損するだけで公営ギャンブルと同じだから、宝くじを買う分貯めといたら?」という話を母親にしたら、ギャンブルという単語に反応して「競馬やパチンコで財産をなくす人はいても宝くじで財産をなくした人がいるという話は聞いたことがない。だからギャンブルではないのだ。」と言われたことがあります。ギャンブル=財産をなくす危険性のあるもの、としてとらえられているこの場合は上の引用部の話では説得できなさそうです。
第6章の世界一簡単なファイナンス理論早わかりの部分は、講義で聞いたうっすらとした記憶がよみがえり、なぜ学生時代はこんなおもしろい内容にわくわくしなかったのだろうと不思議に思えました。他の本を読んでいてもそうなのですが、その場で理解してないんですよね。結論を覚えているだけで、理屈で覚えていない。だから人に説明できない。あ、そうだ。この本とは関係ないけど「賃貸より持ち家のほうが有利だ」というのは間違いだという話をまとめなきゃ。
もう一つなるほど!なこの本の肝もあったのですが、どうしてもまとめられませんでした。