蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

ここ

 『無造作紳士』のイントロが風のようにそよぐ。外は冷たい雨、曇る窓ガラス。長身の女性が長い廊下をこちらへと静かに歩いてくる。髪の色は金、瞳の色は青。輝きなく。表情は見えないけれども、きっと笑みなどない。口をかたく結び虚ろな眼差しを向け、まるでこの世界にいない。
 美しい人よ。