蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

 わたしは努めて短い文章を書こうとしているのではないのです。単に、言葉が出ない。それだけ。話すのも苦手で専ら聞いて頷くばかり。頭の回転が遅い。随分前からこれに苦しんでいて今も尚。だから、比較的速度を要しない「書く」という手段で自分を、自分の思うことを表現する道を選んだ。
 たいして、読書量があるわけでもなし、国語の成績がよかったわけでもなし。まったくのアウトサイダーだと自分では思う。その上、いろんなものが欠けている。集中力、堪え性、勇気、愛すること、などなど。
 それでも表現したい。そう思ってしまった。決めてしまった。この衝動は止められない。止めてはいけないと思った。他人が許す・許さないというものでもない。
 認められたい願望もある。でも、やっぱりまずはわたし自身が納得のいくものを送り出したい。
 けれども、残念ながらまだその水準には達していない。何度でも記すけれど、書くという出力と小説、映画、音楽、詩、その他あらゆる限り自分の刺激となる入力を絶やしてはならないだろう。
 残された時間は短い。遠回りをしてもいいからその仕組みを考える。いつか辿り着きたい場所がわたしにはある。