『鹿男あをによし』読了。

- 作者: 万城目学
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2007/04
- メディア: 単行本
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歴史面のマクロ的な部分とも現代生活面のミクロ的な部分が相互に繋がっていて、とにかく「上手いなあ、おもしろいなあ」と感じた。奈良に行ってみたくなるような描写の数々。そして、ラストはなんとも僕好みのトリック。前作『鴨川ホルモー』に続いて楽しませてもらった。
青臭いけど気に入った言葉。剣道の試合に臨むシーンで主人公(部活の顧問)が生徒に言う科白。
「もちろん――負けることもあるだろう。けれど、それはいいんだ。負けてもいい。剣道は勝負がすべてじゃない。だが、やる前から負けるとは絶対に思うな。相手は京都と大阪だ。怖いと感じることもあるかもしれない。別に怖くなってもいいんだ。それは人間の自然な感情だ。ただ、やる前からあきらめるな。それは相手に負けたんじゃない。自分に負けただけだ」