蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

片山ユキヲ「花もて語れ」、に思う

 自分が自分の最高の読者であれ。そう考えている。
 しかし、実態はどうだ。ただ、何の考えもなく文字を拾っているだけではないのか? 勿論、そのように頭を軽くして読めるものもあっていいだろう。
 何度も読みたくなる作品を。例えば、わたしは太宰治『葉』を繰り返し読んでいる。
 それ。自分の再読に耐えうる創作でなければ。
 わたしが読者として足りないのだ。
 今日、出逢った素敵な漫画。片山ユキヲ「花もて語れ」。
 朗読という視点が為になった。

花もて語れ 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

花もて語れ 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

クラムボンはわらったよ。』
クラムボンはかぷかぷわらったよ』

 宮沢賢治『やまなし』の一節。
 わたしが書いたとして、字面だけを弄んで、終わりの話だろう。
 読者の想像の余地を残しても、わたしの思いだってのせなければきっと届かない。
 この先、何度でも胃を痛めることもあるだろう。でも、嫌だと思ったことは一度もない。書きたい。
 生まれたときからゴミみたいなこの人生。「晩年」にふさわしく華を飾ろう。