蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

“またあなたに逢えるのを楽しみに待って さようなら”

 段々と、あなたのことをわたしは忘れていく。時が流れる。川が流れ、絶えず同じ形をしないように。
 思い出はいつか美化され、甘やかな香りの記憶が脳裏をかすめた。
 今更「あの素晴らしい愛をもう一度」というわけにはいかない。わたしたちは変わってしまったのだから。
 忘れない為の悪あがき? 傍から見てもみっともないことをするものだ。
 わたしは醜い。外見も内面も極めて醜悪。加えて愚か。けれども、否、だからこそ、美しいものにあこがれる。ないものねだり。
 誇れることはたったひとつ。諦めていないこと。
 あの小さなアリほどの勤勉さ・甲斐甲斐しさもない。でも、滅ぶそのときまで、この身を創作に捧げる覚悟を決めたのだ。
 近江舞子は最期まで道化を演じます。