- 作者: 貫成人
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2004/07/06
- メディア: 新書
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然し、わたしにはさっぱりわからなかった。論理的思考ができないのかな。しっくり来なかった。
ただ、その中でも収穫はあった。道徳・善悪について、わたしの感覚に似ている寓話があったのだ。
以下に引用して記しておこう。
あるところに、富み、かつ平和を好む部族があった。そこにどこからともなく好戦的な部族が攻め入り、すべてを奪い去っていってしまう。破れた部族はどう考えるか。かれらは、何一つ落ち度のない自分たちをひどい目に遭わせた相手を「悪い奴等」とよぶだろう。それに比べて、何も悪いことをしていない自分たちは「善い人」である。こう考えれば、武力や知恵で太刀打ちはできない相手に、せめて「道徳的に」勝ることができ、それだけ相手にたいして心理的優位をえることができる。こうした弱者の強者に対する<妬み>や<怨念>(ルサンチマン)こそが、善悪の価値の起源だと、ニーチェは言うのである。
わたしは触法行為をしようとは思わない。
けれども、道徳的に善くありたいともあんまり思わない。
嘘もつくし、隠し事もする。
退廃・無頼を愛しているから。