言葉
ベッドの上で目を覚ますと、雨音の中に居た。窓から見える灰色に不思議な安心をおぼえた。
東京は、晴れのち曇り。
私の欲していたもの、全世界ではなかった。百年の名声でもなかった。タンポポの花一輪の信頼が欲しくて、チサの葉いちまいのなぐさめが欲しくて、一生を棒に振った。
「あなたの幸せを願っています」?
お気に入りの音楽を聞きながら寝そべって目を閉じる。負の想いしか感じない。精神も肉体もおかしい。ひとり。どんな糸も僕に繋がっていやしない。 自分で暗いことを書いて自分を閉じ込めておいて、助けを請う。考えたくない。投げ出したい。 別にあなたが鬼…
そのアルファベットの羅列が現れないかと息をこらす。
朝は、蒼いつぼみ。夕暮れは薄紅色のカーテン。
甘く散る。若しくは、香しい百合の花束。眠るように死にたい。
ティーカップを傾け、香る紅茶を垂らし終えるとき、唇に触れる一滴一滴が優しい。
パフスリーブの黒いカットソー生地のブラウスに裾から10センチがテロっとした素材の黒いスカートにこれまた黒のバレエシューズ。