蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

一葉

 結果論だけれど、片思いでも何でも恋をしていないと張りがない。だからといって、その為に恋をしようとは思わない。人を好きになって背伸びをして他人と関わる事が、僕にとって格好の枠として機能していたんだな。 無条件に素晴らしいとは言わない。僕は凡人。再確認をしたまでだ。
 でも、信じたい。信じなければ死んでしまう。いや、元より死ぬる覚悟はある。“眠れるようなロマンス”を書ける、と。何処にも無いから、作る。
 凝って伏線とかトリックとか考えるのはやめた。一からやり直し。馬鹿正直にいく。それが通用しないのなら、次を模索すればいい。不器用で要領が悪い。愚図、阿呆。
 変わる、変われると念じ続け、ようやく出来たのが酷い有り様。