これから始まる「新しい世界経済」の教科書: スティグリッツ教授の
- 作者: ジョセフ・E.スティグリッツ,Joseph E. Stiglitz,桐谷知未
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2016/02/18
- メディア: 単行本
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キモを引用します。
ここで中心となるメッセージは単純だ。アメリカ経済は、経済の自然法則のせいでバランスを崩したのではない。今日の不平等は、資本主義の避けがたい発展の結果生じたわけではない。経済を支配するルールのせいでこうなったのだ。そして、経済学で学んだことと、そのルールをつくった人たちと彼らがどう選ばれたかについての知識を利用すれば、ルールは変えられる。何よりも、ルールを変えて、一般家庭のために経済の安定をうながせば、経済はよい方向へ進むだろう。
・最上層1パーセントの人々の収入が急増し、残りの人々の賃金が伸び悩んでいるのは、別々の現象ではなく、むしろ勤勉さや投資よりも金融システムでのゲームに見返りがある、健全ではない経済のふたつの症状である。
・アメリカが他の先進国のどこよりも不平等を拡大するにつれ、機会までもが失われてきた。アメリカンドリームはしだいに神話の域に入ってしまったが、それも驚くにはあたらない。所得と不平等と富の格差が高水準にある経済は、機会均等が低水準になりがちだからだ。
・この機能不全の根源は、長期的なイノベーションや成長を犠牲にして、企業の力や短期的利益を優先してきた経済ルールと力学の深部にある。
・それらのルールと力学によって生み出された成果は、経済を強くしてはくれない。実のところ、多くは経済を弱くする。
・不平等による最悪の結果だけを扱うミニマリストの方策では、ルールを書き換えられず、賃金低迷と成長鈍化の原因である力学を再構築することはできない。
・経済を形づくるルールを書き換えて、より多くの人々のために見通しを好転させると同時に、経済実績を向上させることは可能である。
・過去三分の一世紀にわたる不平等拡大の影響を一夜にして消し去れはしないし、魔法の解決策も存在しない。しかし、もとめつつもしだいに得がたくなっている中流層の生活を、一般の人々がふたたび手に入れられるようにするための政策はある。
スティグリッツ氏の数々の提言は、ほとんど日本にも適用できる。
ピケティなんかより、こっちを読んだほうがいいですよ。