夜が目覚める 誰そ彼
見覚えがある たしか、夢で
奇術師だった ギロチンを使う
落下した頭部が見せる顔 恍惚
この漫画を1巻から読んでいます。高校生ラッパーのお話です。ラップは、わたしが感じるところで言うと、落語と同じで、「巧いと感心するけれども、おもしろいとは思わない」ものなのですが、この漫画はおもしろいです。
それはなぜか。文字で自分のペースで読めるからです。これが音楽になってしまうと、言葉として何を言っているのかわからないし、速くてついていけません。
また、漫画ですから大きなストーリーがあります。だから、この作品のラップをおもしろがれます。
4巻では、ラップバトルは「(和歌の)贈答歌や歌合を超高速・即興でやるようなもの」と主人公の父が表すのですが、そこに日本人が広い意味の「歌」を好む歴史を感じました。お薦めです。
公開当初、とあるラジオパーソナリティさんが「おもしろい」とおっしゃっていて気になり始め、インターネット上でも話題になっていて観たいとは思っていたのですが、わたしは映画館があまり好きではないので、二の足を踏んでいました。それから数か月、ついに先日テレビで放映されたものを観ました。また、録画したものを改めて観ました。
幸いにも今までネタバレにも出くわさず、キャッチコピーの「“37分ワンシーン・ワンカットで描くノンストップ・ゾンビサバイバル!”……を撮ったヤツらの話」しか事前情報は得ていませんでした。そこは映画館で観た皆さんと同じ状態でしょう。ただ皆さんと違ったのは、各所から絶賛の嵐で期待値が上がるところを、わたしは「皆が皆褒めるものは、実際凄くない。賛否両論あってこそのものだ」を信条としているので、逆に期待値を下げて臨んだところです。
で、感想です。これ、キャッチコピーでネタバレというかそれが全てで、それ以上でもそれ以下でもない話だな、と。冒頭の37分はこれがあとから効いてくるんでしょって思っていたので、そこはどうこう言いません。それが終わってからとても上手に伏線回収をしていて、感心しました。たぶん、皆さまはそこに爽快感やら面白味を感じたのでしょう。しかし、わたしは、「とにかく上手。でもそれだけ」としか思いませんでした。何と言うか、「お仕事現場の裏事情見せます!」くらいの感じ。上手に作る技術がなければ面白くはできませんが、この作品は技術が高いことだけに留まっている気がします。
★二つ。
※ちなみにわたしが一番好きな映画は『Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb(邦題:博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか)』