蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

壊すとき

 波が来た。
 現実が辛すぎる。僕の行く場所は何処にもなくて、ここにも居られなくて。ただ、うだつの上がらないことばかりしている。嘘じゃないか。誰も肯定してくれない。僕が馬鹿で何にも伝えられないから、僕が臆病で誰にも伝えようともしないから。いじけてみせて、殻に閉じこもりっぱなし。


 死にたい? どうして死にたい?
 未来が見えないから。
 未来が見える人なんていないよ。それに未来が見えなくて不確実だから、ヒトはヒトでいられるんだよ。
 他人はヒトなんかじゃない、化け物だ! 神経が磨り減ることを平然とやってのけている、たんぱく質の塊だろう?
 自分だって同じでしょう。異性と付き合って別れ、他人の顔を窺って。化け物とやらの違いを教えてよ。
 僕は血が通っていないアンドロイドだ。偶然にも魂が宿って生きている。もう耐えられないの。つまらない言葉たちを晒して身動きできずにのうのうと暮らす事が。
 じゃあ、今そこにある包丁で首を切れば解決するよ。
 違うんだ。僕は花になりたい。一度は咲いて、潔く舞い散る桜のように。
 君の事は気がかりだけど、さっぱりわからないよ。
 僕も同じだ。僕も自分がわからない。真の底辺を知るのが怖い。もうすぐ二十五歳になる男がこの水準かよ。人並みなど望まないから、道しるべを示してください。


 あと僕をほったらかしにするあなた。もう見ないでください。何でまだ見てるの? 何がしたいわけ?


 現代版貴族、ヒモになりたい。それなら生きられる。
 『魂の殺人』を読み始めたせいかなかなり不安定。亡霊に憑依された。