蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

感想

 id:rei_05さんから『亡骸』の感想をいただきました。

「おまえの望むものを何でもやろう。何か望みはないか?」
――『醜い夢にメロウを』――

 悪魔は人間を誘惑し、わたしたちを甘くて冷たい罠に陥れ続ける。
 人間の顔をした悪魔たち――己の欲望に溺れる本当の悪魔ではないかと思わせる人間の皮をかぶったわたしたち。しかし、どちらも欲望をこの手にする為なら、決して手段は選ばず醜い姿を晒していくのだった。人間との契約が甘く熟した時、悪魔にはきらきら光る青い太陽の報酬が与えられる。そう、今こうして時間が流れていくうちにも――。

 そして、時にわたしたち人間はいわゆる常識をというもの超えてしまった鋭くて生々しい狂気を生み出す。そうして、毎日いつもどこかで歪んだ連鎖は止まらず、魂の抜けてしまったからだの「亡骸」は増えていく。

 空っぽになった、たくさんの「亡骸」たちは何も答えてはくれない。しかし、ここには「亡骸」の行き先の輪郭が示されているかもしれない。