蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

君の言葉

 登場人物の発する言葉に気をつけている。少なくともそのつもりだ。
 この人はこの言葉遣いでいいのか。慎重に選んで。
 でも、自分の使いたい言葉が出てきてしまって、悩む。
 自分とは違う人から言葉を獲得して、世界を広げたい。そして、深く潜りたい。
 しかし、たくさん書いてきて、自分なりに作法というか手法を確立できてきたと思う。
 そうなると、頻繁に使う言い回しとか、リズムとか、自然にすっと出てくるものをちょっと疑うのも大切。
 たくさん読まなくちゃ、経験しなくちゃ、所詮、自分しか書けなくなってしまう。
 もちろん、自分から切り出したものを書くのだけれど、他人の視点を手に入れなければ、凝り固まってしまうだろう。