蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

創作メモ

 男は狂気の深淵に触れようと必死だった。あこがれはいつからだったのかもう分からない。
 純粋の中枢に居た彼は自分の正反対へ行きたかった。
 世界の果てに見つけた、善意で舗装された地獄への道を男は進む。
 何と心地の良い風が吹くのだろう。肌を撫でて去るそれは爽快。痛快。心底、面白かった。
 薄い霧。差す光。希望の先。
 男が辿り着いた場所には鏡がそびえ立ち、彼の姿を映していた。
 いったいどちらが裏か、表か。