蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

あの日(前編)。

 ちょうど一年前の今日、父が倒れました。午後七時頃、彼がこたつから出て立ったときに、首の背のあたりをトントンと叩いていました。

 食事を終えた僕はそれを見たあと、すぐにお風呂に入りました。お風呂で頭を洗っていると、母が、「お父さんが倒れた。救急車って119番?」と扉越しに尋ねてきました。

 僕は最低限のことを済ませてお風呂を出ると、父が仰向けに倒れていました。すぐに救急隊がやってきて、いろいろ処置をして、運んでいきました。

 一緒に救急車に乗って行き、病院に着いた母から電話があり、急いで病院に行くと、父には酸素吸入器(らしきもの)が付けられていました。医師の説明によると、「持って数時間」とのことでした。