蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

 修学旅行の帰り。飛行機が格納されるような大きな倉庫の中。荷物を載せたバスが先に出て行く。と、すぐに加速して薄いシャッターをぶち抜いていった。僕はとても驚いたが、皆平然とした顔をしていた。バスは非常に丈夫に出来ていて、この倉庫も自由に壊していいという前提だったが、僕にはそういう問題ではなかった。
 それから外に出て、バスの側まで行ったが、担任教師に
「このバスに乗りたくありません。あの時シャッターの向こうに人がいるかどうかを確認していましたか? そんな危険な運転をする乗り物は嫌です」
教師や周りの皆は不満げで、まるで異教徒を見るような目つきだったがしぶしぶ了承した。そして、僕に同意してくれるのは一人の女子生徒のみだった。
 その子と一緒に帰ることになった。すると男性教師に声をかけられる。車に乗せていってあげるとのこと。僕と彼女はその人に付いて行った。しかし、乗車した途端、その男が敵で僕らを始末しにきたということが直感でわかってしまった。彼が拳銃を所持しているのも透視できてしまった。
 僕はためらいもなく自分の銃を取り出し、銃口を彼の頭に向け、引き金を引いた。