蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

薔薇の香りも空しく散って。

 ああ。駄目だ。すぐに挫けるよ僕は。ちまちまと五枚ほど書いた。けれども、「こんなこと書きたいの?」といういつものアレにぶつかってひっくり返しそうなところ。一つ完成させてから次に進んだほうが経験が積めて良い気がするが、今のままだとそわそわして落ち着かない。


 昨日、正座して一時間ほど母に向かって僕のたどたどしい言葉で自分の思っていることを説明した。さすがに三十歳で死ぬつもりとは言えなかったが。
 僕にとっては腹立たしいことばかり。しかし、母も腹立たしいことが多く、相当我慢しているとのこと。大げさに言えば各々の正義のぶつかりあい。父も含めて家族三人がストレスなんだよな。けして良い環境とは言えない。でも、というか、だからこそ何かできそうな気もする。
 簡単なのは互いにできるだけ干渉しないで、見てみぬふりをすること。胃を痛めなくて済む。本音ではそうしたいと言いたかった。誰とも交わらず、孤独にひっそり隠遁したい。
 しかし、最低限度現実的な線で妥協しなければ、遺書も書けない。どうすればいいのか。問う。