フロイトの精神分析 (図解雑学-絵と文章でわかりやすい!-)
- 作者: 鈴木晶
- 出版社/メーカー: ナツメ社
- 発売日: 2004/01
- メディア: 単行本
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動物はその本能――生きることと子孫を残すこと――だけに従っていれば生きていける。一方、人間は本能にのみ従っていても生きていくことができない。それは人間の本能が壊れているからだと精神分析では考える。人間は本能が壊れたことによって自然と乖離し、その間に隙間ができてしまった。自然との溝を埋めるために、人間は壊れた本能の代理となる「こころ」を生み出し、社会や文明を築いてきた。こころには自我という部分がある。動物における本能と違って、この自我には「存在の根拠」がない。本能は自然に根ざしているが、自我は「空中楼閣」みたいなもので、実体のない幻のようなもの。こころは自我に根ざしていないため、ひずみが生じることがある。それがこころの病。
……といった感じかな。フロイトが提唱した、「自我」、「超自我」、「エス」や研究が深められていった精神分析の方法もおもしろかったけれども、大元の「こころとは」という決め付けが一番おもしろいと思った。