蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

poetry

思い出

色いい服を買った、青 愛しい猫を飼った場所 等しい勝負だった跡 気持ちいい過去になっただろ?

再生

‪ 僕の言葉は武器、じゃない。 あなたを傷つけるわけでも、敵から守るわけでもないから。 ただ、戦うとしたら、己の絶望。 美しさを手に入れる、その日まで。‬

3,2,1...

悪い知らせと、良い知らせ 行って来いにはなりません 蝶になったあの日から 死ぬる思いで夢心地

Heaven Shall Burn

疲れと喜びが入り混じり、帰宅 きょうも死ぬる思いが込み上げる それが僕の暮らし 麦茶を飲もうと、冷蔵庫を開ける 母が作った、不格好なおにぎり 母も歳 そんなに長くは生きてくれない だから、母より先に死んではならないと思った

VISION

雲を掴み 霞を食べ 野に咲く青い花を摘む それが生業

“あいのうただから”

野口英世の母が、息子に宛てて書いた手紙のような、 相花信夫が、母に宛てて書いた遺書のような、 芥川龍之介が、恋人に宛てて書いた恋文のような、 そんな小説を、あなたに宛てて書きます。待っていてください。

讃美歌

あなたが破滅することを望んでいた。 堕ちることを願っていた。 呪っていたわけではない。それが、ただ、美しいと思っていただけ。 今は、違う。変わってしまっても、愛しています。

眼前のモノしか目に入らず いっときの快楽に身を委ね 未来をまるで見ていない あしたは、来ないだろう

チョコレイトの雨が降る。 濡れた手を嘗めると舌はビター。 茶色い雲はどこまでも続く。 明日も雨が降ればいい。世界の終わりまで降ればいい。

灰色の背中

音色はブルー。空に似た? 海に似た? ヒールを鳴らす地面は濡れ始めていた。 腰を屈め、手を触れる。ざらついた感触。 傘を手放し、歩いていく背中に春が見えた。

偽物

アマリリス、掲げて、揺らす、歌う、詩。にびいろをして。 グラスは床に砕け散った。蜘蛛の巣を描く。 朝のアールグレイは心地よく、花咲くように、夢の中。 カエルの頭に王冠を。彼にきっと捧ぐべき。

白いブラウスの声

あなたの負った傷は何ものにも変えられません。どんな勲章よりも立派で、どんな賞よりも誉れ高い。 どうか癒すことを知らぬまま乾く間を待たず血を流し、戦ってください。 そう。これは戦いなのだから。刃を言葉に換えて尽きるまで、粉々になるまで。 一緒に…

目覚めた朝は春だった。

奥にほのかな光をためた猫の瞳のあなた。見つめられると、息がとまるようで。

真冬の華

わずかに顔を見せる緑。弱々しい草木が生き返らんばかりに芽吹きつつある。 道に溶ける白。身が震えるような厳しい寒さも、ようやく終わろうとしている。 やさしいオレンジ。はるか高いところから、陽の光が穏やかに人々を照らしている。 天を埋める水色。ま…

詩情

手と手。繋ぐ。冷たい体温が伝わる。 寒空の下、並んで歩く。秋の木の葉がまばらに落ちている道をゆっくりと。 目と目。合わせる。やさしい気持ちを感じる。 隣にいるあなたを横目で見ると、あなたもわたしをじっと見ていた。同じだね。 指と指。絡ませる。…

今日も一日が終わる。 ちゃんと生きられたかな。ちゃんと残せたかな。 長い雨が髪を濡らす。 ひとり暗い夜道を憂鬱な気分で歩いた。

陽の当たらぬ日も詩を書こう。 手垢のついた言葉でもいい。 意味は昨日とも違うし、明日にも変わる。 信じて。

部屋

眠るあなたの隣にいたい。 寝顔はきっと穏やかで、ラベンダーの香りよりも安らげるだろう。 桜が冬に咲いては、すぐに散ってしまうから。 白い息、花びらの下は悲し過ぎる。 遠い春が来るまで待つよ。弱い春が着くまで待つよ。 名前、大切にして呼びたい。 …

colorholic

遠くからは白く 近付けば赤い 後ろ姿は黒くて 世界は薄茶に映る

季節

空を仰いだ 線を見つけた 息を吐いた 冬を見つけた 色づきは薄くて構わない 塗れば終わりさ 色づきを重ねて繰り返す 塗れば始まる

ドレス

刺されて初めて解った 胸に刃があることを 血は赤黒い 君は薄笑い 僕は何処へ行くのかな

不孝こそが咲かせられる華。 芽吹いたそれを育て上げ、あなたにご覧にいれましょう。

この詩にメロディはないし、動く画もついてないから 僕は文字で綴って伝える 名前だって意味を無くした 光が、花が、見えたといの? それは嘘だよ、きっと神経が狂った 雨の夕陽であなたには届かないだろう 知らなくていいよ 知らなくていいよ

この詩とともに

無知。 無能。 苦悩。 未熟。 すべての負が、僕の糧。

お星さまが見えない 雲も無いのに 澄んだ夜なのに 眩しい都会でも無いのに どうか一粒だけでもわけてください。

cake

あたなは泣いてもいいんです。気持ちにしたがって晴れる日まで待ちつ続ければ。 僕のことなんか忘れても構わない。人は変わるよ。でも、ありがとう。

あなたに縛られている 別れの季節がまたやってくるね 約束は忘れ去られ 僕は憎むことも愛すこともできず ただ憂鬱を抱え孤独に震える とても寒くて、安らげる場所なんか見つからないよ

桜の咲く頃、まだ肌寒い川辺を並んで歩いたね 変わらない景色と夢を探して 夕方の空気は大地の赤 鳥たちが歌う声、舞って 温もりを求めたよ

アンテナを数えて ケーブルを数えて 電柱を数えて 屋根を数えて 鐘の音が聞こえたから さよなら

雲が切れた 空は青くなくていいよ 息は白い サザンカにもうお別れ

灰色

目覚めたのは午前十時。 頭が痛いから、そのまま布団を被って憂鬱。 気が付けば一時間くらい過ぎていた。 外がやけに静か。 やっと起き上がってカーテンを開けると雪が降っている。 『世界の終わりという名の雑貨店』しか浮かばない。 「雪が降っています」 …

無数の星の一つ 誰も見つけられない 世界が広い過ぎるからじゃない 暗闇に覆われているからじゃない 地上の光に邪魔されているからじゃない あなたが見たくないから見えないだけ 存在しないのと同じ それでも輝き続ける

見えているかい?

むせかえるほど、百合の香りが立ち込めた部屋。 あなたは来ない。 もう僕の嗅覚など要らない。潰してください。 ふたりはどうして逢えないの? きっと罰に違いない。あなたを信じるという幻覚に溺れなかったから。

葬列

僕は死んだ。 四肢は冷たくなって動かない。息もできない。大好きな暗闇と蝋燭一本の揺らめく僅かな明かりの中で暮らしている。 もう明日は来ない。

あなたのために。

花が響いて満ち足りる

あなたの声はとても不思議。 激しく響けば僕を眠らせ、 優しく響けば僕を目覚めさせる。 本当に。 その激しさに安心するから、緊張を解きほぐされた僕は、瞼を落として夢を見たくなる。 その優しさに興奮するから、覚醒をもたらされた僕は、瞼を押し上げて世…

 「何も知らない」

そこは古いマンションの二階。南側には二つ部屋があって、その東寄りのほう。当時は姉の部屋だった。朝の八時くらいだったから、学校に行ってしまったのだろう。姉は既にいない。レースのカーテンが風にそよいでいる。 僕は開かれた窓から少し身を乗り出して…