蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

厚切りバタートースト

 喫茶店が好きです。おしゃれなカフェもいいけど、古かったり小さかったりする「喫茶店」がいい。
 幼いころ、日曜日は父に連れられよく近所の喫茶店へ行った。父は「ホット」とだけ言い、僕は「ホット」の一言でホットコーヒーだと通じるのかと感心した記憶がある。それで、いつもおつまみ*1を僕にくれた。もしかしたら僕がねだっていたのかもしれない。
 僕は、何を頼んでいたかな。今みたいに紅茶は飲まなかったから、お子さまらしくバナナとかオレンジのジュースだったと思う。そこでジャンプとかコミックを読むのが楽しみだった。父は新聞や雑誌を読む。特に会話はなかった。
 たまに許しがでるとホットケーキやトーストを食べられた。おいしかったな。


 今、寮が工事中でうるさいので外に出ている。読みかけの本を忘れてしまったため本を買った。どこで読もうかと探し歩いていたら、「厚切りバタートースト」の看板を発見しその店に引き込まれる。勿論、厚切りバタートーストを注文。でも、僕の目には全然厚切りに見えなかった。少し残念。


 やっぱり父は嫌いだ。でも、その頃の良い思い出まで否定できない。良い人も悪い人もいない。ただ人間には良い面と悪い面があるだけ。

 そういえば、大学3、4年生のときは、母の買い物に付き合い運転手兼荷物持ちをよくやった。そして帰りに喫茶店に寄ったものだ。まだ姉が結婚する前は同じことをしていたと母は教えてくれた。


 さて、本の続きを。

*1:愛知県の喫茶店ではたいていピーナッツとか柿の種的なものが飲み物に付いてくる