蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

読書メモ:苫野一徳『未来のきみを変える読書術』

 

 

 孫引き

 一ヶ月に本を一〇〇冊読んだとか、一〇〇〇冊読んだとかいって自慢している人は、ラーメン屋の大食いチャレンジで、一五分間に五玉食べたなどと自慢しているのと何も変わらない。速読家の知識は、単なる脂肪である。それは何の役にも立たず、無駄に頭の回転を鈍くしているだけの贅肉である。決して、自分自身の身となり、筋肉となった知識ではない。それよりも、ほんの少量でも、自分が本当においしいと感じた料理の味を、豊かに語れる人のほうが、人からは食通として尊敬されるだろう。

平野啓一郎『本の読み方――スロー・リーディングの実践』