蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

PCに向かうと浮かばない。離れてメモする道具が無い風呂にいるときが、ここのところ一番思考が進む。

「僕がまともじゃないことはわかった。それじゃあ、まともになりたいのか?」の答えが出た。『世界の終わりという名の雑貨店』より。少し長いけど。

皆、嘘ばかり、つきます。というよりも、的外れなことばかり、口にするのです。お医者さまはあるがままの自分を見つめてみましょうと、いいます。嬉しいことも、嫌なことも、恥ずかしいことも、腹のたつことも、心の奥にしまい込まず、正直に口にしてみましょう、といいます。そんなことを何故、しなければならないのか。そんなことをしてまで、心の病は治さねばならないのだろうか。それにたとえ医師とはいえ、赤の他人に対して何故そんなことを告白しなければならないのか。心の奥に閉じ込めたものは、閉じ込めるだけの理由があって、閉じ込めているのであって、それをあからさまにするくらいなら、病気のままでいいと思うし、病気が悪化して死んでしまうのなら、それも仕方がないと、私は思うのです。あるがままの自分を見せるなんて、そんなはしたないことをしては、いけませんよね。

これがしっくりきた。信頼できる人になら話せますが。
さらに、↑を探してるときに、大事な文章を見つけた。また引用。

あの日、逃避行決行の日の朝、雪が降っていたのをあなたはご存知ですか。近畿地方の都市部には初めての雪だと、朝のテレビがいっていました。迷っていたのです。あの日の朝まで。本当にあなたと今から逃避行に出かけてよいものかと。断る理由なぞありませんでした。しかし、やっぱり、恐かったのです。たまらなく不安だったのです。気持ちは行こうとしているのに、身体がひるんでしまうような、そんな感じでした。ママの貯金を黙って下ろしたり、学校をサボタージュするのとは、覚悟が違います。結局、私はふっきれないまま、あの朝を迎えてしまったのです。いつものように家を出ました。すると、テレビでいっていたように雪がちらちらと降っていました。何だかとても嬉しくなりました。すぐに貴方の顔が思い浮かびました。雪が降っていることを、雪を見て幸せな気持ちになったことを、貴方に伝えたくなりました。その時、私は決心したのです。というか、解ったのです。私には貴方が必要であることが。難しいことを考えずともよかったのです。雪が降っているのを見て、それを貴方に伝えたいと思った。その気持ちだけで逃避行をする理由になるのです。全てを投げ出して、逃避行をする理由になるのです。私は意気揚々と、逃避行の為の鞄やら何やらを買う為に、それから貴方にクリスマスプレゼントを買う為に、街へ出掛けました。

これぞ、大切(=愛)の上に特別(=恋)を重ねた恋愛ですなぁ。津和野への逃避行などという大それたことじゃなくていいから、もっと日常的な手段でhappyを伝えられるように。