蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

 僕には何にも無いんだって思うと胸焼けがして頭が重くなる。衝動も消えてただ生きてるだけの脱け殻。
 何にも無い。
 何にも無い。
 心動かず、体動かず。魂と呼べる存在はさ迷い、人に耳を貸さず。堕落であって退廃でない。あこがれの魅力の欠片にも手が届かず。
 浮かぶ言葉は、さよなら、だけ。
 この人生は与えられた時間。父でも母でもない誰も知らぬ誰か。 幾つかのささやかな願いを叶えるたびに先細り次を見いだせない。
 嫌だ。そればっかり。