蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

印は蝶

 夢を見ている。美しきたった一人と結ばれて、不道徳を犯して狂ったように暮らすことを。寒い土地、小さな部屋を借りてほそぼそと毎日を送る。そこでは珍しくない雪が降れば、「雪だね」とたった一言呟いて、あなたに届ける。特段意味などない。目の前の様子を子どものように口にするのだ。伝えたいから伝える。ごく自然に。それが良い。本当は理解されることなんて欲してないのかもしれない。彼岸の人にあこがれて、想いは募る。
 何処までも僕は受け身。いつか素敵な女性が現れて僕をかっさらってくれるのではないかと心待ちにしている。僕が纏う人を寄せ付けない雰囲気を飛び越えて。僕はそうやって試し続けている、そんな気がしてきた。いや、薄々感付いてはいた。やらしいから表に出さなかっただけか。
 満たされず、ちょっとくらい不幸せでいい。そのほうが自我を保てるてる。
 他者を見下す発言をする人はどうしてそんなことができるのだろう。かくいう僕も心では人を馬鹿にする、毒づくことが少なくない。ただ、それを表すことは滅多にない。
 夜は、闇と静寂は何処までもやさしい。ありがとう。死ぬときはきっと夜にします。
 結婚したいなあ。言うのはただ。しかし、動かなければ実現下する可能性は非常に低い。今現在、恋人はいないし、好意を寄せている人も寄せられている人もいない。言いっぱなしで何も実効のある手段を取っていないのだ。ただ口にしてポーズを取ってる。楽をしたいだけ。『要するに』を読んでまた一つ知識を得られて効用が上がったが、同時に絶望にも突き当たった。これを回避してゆくのが当面の課題だ。