何をやるかって言いますと、相続登記でございます。家は一文無しでございまして、司法書士の先生に代わってやってもらう銭がねえ。つうこって、あっしがなんもかんもやるってんでございます。
はじまり
きっかけは、Hさんからの電話。Hさんは、ろくでもない亡き父が大変お世話になったお方。その方から「近江家の墓地は数年前に父がMさんに売ったのだが、そのとき登記を変更していなかった。今Mさんが墓地をどうにかしたいらしい。でも、死んでいる人の所有物から赤の他人が登記をどうにかできるものではない。それで、近江家の墓地を親族が一度ちゃんと相続(登記)してほしい」というようなことを言われた。
で、冒頭に書いた通り司法書士に頼む金が本当にない。金を算段する手がないわけではないのだが、その案を母はなるべくとりたくないらしいので、僕がざっとインターネットで検索し、「よし、自分でできないことはない」と思ったので、「僕がやるよ」と手を挙げたわけだ。
第1章その1
https://houmukyoku.moj.go.jp/otsu/page000001_00147.pdf
このチェックシートに沿って準備を進めた。
(1)登記申請書
これはオンライン申請をしていくうちにできるみたいなので、すっ飛ばす
(2)被相続人(亡くなられた方)の戸籍謄本及び除籍謄本 (出生から亡くなる迄)
(3)被相続人(亡くなられた方)の本籍地が記載された住民票除票 (又は~)
市役所に行って、取ってきた。父の本籍は一度変わっているので、そっちにも戸籍謄本を取りに行くつもりだったけれど、なんか今の時代はそんなことしなくても役所同士が連携しているからいいんだねって感じでもらえた。
本筋から外れるけれども、窓口の人に「自力で相続登記をやりたくて来たんです」と言ったせいか、親切丁寧に対応してもらえた気がする。
(4)法定相続人の戸籍謄抄本(法定相続人全員分)
法定相続人は母、姉、兄、僕の四人。しかし、歳が一番若い僕がすべて相続する予定。戸籍謄本は、僕の分と母の分を同じく市役所で取ったと思ったんだが、これを確認しながら書いていて気付いた。それぞれ結婚して戸籍を抜けた姉は姉で、兄は兄で、一枚ずつもらってくればいいけど、僕と母は死んだ父の戸籍謄本に記載されている分だけしかない。これでいいのか??? これは調べないと。
(5)相続関係説明図
当初は何の為? と思っていたが、あとで意味を知る。作ること自体は簡単。
(6)不動産を相続する人(新しい登記名義人となる人)の住民票
これは僕なので僕の住民票を市役所でとった。ただし、マイナンバーが記載されていないものじゃなきゃだめらしい。
(7)遺産分割協議書(法定相続人全員の印鑑証明書含む。)
僕の場合、民法で決まっている法定相続でも、遺言書による相続でもない「遺産分割協議」によって僕ひとりが相続する予定なので、作らなきゃいけない。姉と兄には印鑑証明書(印鑑登録証明書)を各々取ってきてもらって、実印も用意してもらって、正確な住所を書いてもらって、署名をしてもらはなければならない。この、頼むところが億劫だ。
(8)代理権限情報(委任状)
自分でやるから要らない。
順番を逆にして、
(10)登録免許税
ようは金。資産価値なんかないものばかりなので、そうはかからんだろうと高を括っている。
(9)固定資産税納税通知書等
ここで二つのハードルが。父が持っているすべての不動産を把握しようとした。どうやら固定資産税納税通知書では、固定資産税がかからない不動産が把握できないらしいので、固定資産税評価証明書を取るべきで、そしてそれを使ってさらに登記事項証明書を取り、「法務局に提出する正確な登記の為の住所」みたいなものを確定させなければならないらしい。
ハードル一つ目。法務局の管轄が違う! 今住んでいる市にある登記すべきものと、父が昔暮らしていて父の父から相続した市にある登記すべきものの法務局の管轄が違うから、一回で済まない! めんどくせぇ~。
ハードル二つ目。そして、最大の謎。父が保管していた記録に、はじまりとなった墓地が無い。でも、Hさんが送ってくださった登記の記録にはしっかり記載されている。どういうことだ??? あ~でもない、こ~でもないと呻吟して調べ続けた結果、一つの仮説を立てるに至った。
ここ。墓地は非課税なので、まず固定資産税納税通知書には乗らない可能性がある。これはわかる。そして、
この時、「所有物件と共有物件いずれも交付してください」という希望を必ず申請書に記載してください。
1人名義の不動産と複数人で共有している不動産では、役所で登録名が異なっている場合があるため、全ての物件について交付してもらえるよう要望しましょう。
ここだ。墓地が共有物件だから、漏れていた可能性があるという仮説だ。
と、昨日Hさんと会って実際に話を伺ってからここまでを今日やった。とりあえずお疲れ様です。