蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

わからないよ

 気持ち。わからない。わかるほうがおかしい。あなたとはきっとわかりえない。
 でも、わかり合うことを放棄したら、おしまいだとあなたは言う。
 本当にそうだろうか。
 思いやりとか気配りとか、所詮、処世術にしかわたしには見えない。打算。
 悪だとは思わない。人間が社会を円滑に進めるためのお約束だから。
 馴染めないのです。そのお約束に。
 わたしは滅ぶべき存在。長々と生きていてはいけないのです。劣等感は骨の髄まで染みこんで。
 どうして社会人にならなくちゃいけなの。どうして大人にならなくちゃいけないの。
 怖い。あなたが果てしなく怖い。
 十七歳。そこでわたしは時を止めた。確かに時は流れている。しかし、動けません。
 孤独を愛することでしか、世界と向き合えないのです。