はじめに
劣等感とはいうけれど、それなら誰を私は優れていると思っているのだろう、理想の私に体を入れ替えることができるなら、喜んでそうするってことだろうか? 劣っていると繰り返し自分を傷つける割に、私は私をそのままでどうにか愛そうともしており、それを許してくれない世界を憎むことだってあった。劣等感という言葉にするたび、コンプレックスという言葉にするたびに必要以上に傷つくものが私にはあったよ、本当は、そんな言葉を捨てたほうがありのままだったかもしれない。コンプレックス・プリズム、わざわざ傷をつけて、不透明にした自分のあちこちを、持ち上げて光に当ててみる。そこに見える光について、今、ここに、書いていきたい。
今までどんなことを思っているのか知らなかった類の人だ。もちろん詩はよんだことはあるが。
子どもの頃から非常に思考をしている人。全体的にはそんな印象。
よくぞ言ってくれた! と思うところが多々あった。
突出した人は、その人の唱える結論が大事なのではなく、そこに至るまでの過程だと著者は書いていた。最果タヒ氏がまさしくそうではないか。良質なエッセイでした。