蝶になったあの日から

乙女心と秋の空 / HEAVY MENTAL HERTZ

言葉

僕が何度でも読み返す、太宰治『晩年』に収録されている「葉」という作品の好きな箇所、ベスト5

五位 兄はこう言った。「小説を、くだらないとは思わぬ。おれには、ただ少しまだるっこいだけである。たった一行の真実を言いたいばかりに百頁の雰囲気をこしらえている」私は言い憎そうに、考え考えしながら答えた。「ほんとうに、言葉は短いほどよい。それ…

自分の不幸が蜜の味。

永遠の……

啓示を受ける。自惚れよ、と。終わりの予感がするから、もう逢えないのだから、いっそのこと鏡を愛せ、と。 映る姿は混乱の狂態。絵にしても色をつけられないこの身体を愛撫してくれた手。その手はノートに何を記したの? 教えて。 妖艶な唇の残り香を覚えて…

もっと凍らせて。血の巡りを悪くして、起き上がるのも難儀するほど。

現から目が醒めた夜に 鐘の音が聞こえる遠くから 雲を跳び虹を越えて ガーベラが笑うそこは 悲しみも、戸惑いも見せないで 唄ってる、響かせて雨音さえ リボンほどき、君を魅せて 新しい映画の終わり

このはな このはな この花 この花 木の葉な 木の葉な コノは菜 コノは菜 故のはな 故のはな 湖の端 湖の端

雲の上に咲く橙色の花と黄色の花。

もう一度

憂鬱に眠らないで あなたを絡め取りたい 表情は変わりなく 白い指が答えるの ずっと待っていた 雨に消えないでと もしも聞こえるなら ひとつだけ教えて 紅茶が冷める前に 星と空と湖を いつか思い出せる 僕らの光を

「私は祐巳の顔も、髪も、声も、指先も、すべて好きだけれど。でも、その外見が好きだからあなたを好きになったわけではないわ。それを動かすあなたの心があるから、それが愛着になっているの」 ――祥子様の言葉。

而して

而して しこう‐し‐て [接]《中世には「しこうじて」とも》前文で述べた事柄に並べて、あるいは付け加えて、別の事柄を述べるときに用いる。そうして。それに加えて。

沈黙という名の音楽が鳴り止まない。それが二人をそっと近づけるのだ。

便りが無いのは悲しい便り。

真珠(のようなもの)、水中で取れるたま。本来「玉」は美しい石の総称。

甘い甘い砂糖菓子。小さなその口で齧ると、粉がぽろぽろとこぼれる。居住まいを正して、口元を拭いカスを手で払う。紅茶を飲んで語り合うひと時。

いつも僕らを見てる夜空の月が教えてくれた

毎回、同じ言葉を、同じ気持ちで伝える。段々募っているというのに。進歩がない。まったく。 好意を表したいという気持ち。暗闇で迷う。飽きられやしないかと。すると、何処からか語りかける声が聞こえる。そのまま伝えてごらんよと。 さすがに文字だけでは…

こころとこころをつなぐもの

抱擁して、瞳を合わせて、手を握って、手紙を送って、プレゼントを渡して、キスして、髪を撫でて、秘密を共有して。 同じ月を見て、同じ夕陽に照らされ、同じ風に吹かれ、同じ雨に打たれ。 そして言葉は足りぬまま。 わからない。届いているの? 僕は受け取…

別れ際のあなたの溜め息。 哀しいけれど、嬉しい。 嬉しいけれど、哀しい。

人差し指で恐る恐る闇を弾いた。

深く沈んでく もう二度と会えないの? 夕闇の向こう側 果てしない痛みの始まり 振り向いて手のひら握る 涙は教えてくれない 未来を夢見てたけれど悲しみ残るまま まだまだ息は止まらない 残酷な毎日 心閉ざして いつか信じてる 言葉こそ力を持ち 行動が変え…

未来

ショウの始まり。観客は両手を挙げ、リズムに合わせて手を叩き、体を揺らし、歓声を上げる。ギラギラした七色の光が天井から壁から降り注ぎ、祈りの詩が流れ出す。さらに熱気は昂揚し、すっかり現実世界から転移させられたよう。さあ、お出ましだ。

僕は窓辺で頬杖を付く。ここに物語はないのに景色を彩るように、音楽が物語をつくってくれる。

醜いものは勝手に残る。美しいものは意識しなければ残らない。

渋谷の雑踏に響き渡る声。仰げば画面に思い浮かべた顔が。

一片一片、この身から無造作に剥がし取って、一枚の絵に重ねて塗っていくように。

パールのような月に見つめられるて、沈黙が映える。

まだ紅に染まらない木の葉たちの裏から月が昇る。

結局、貴方がみたいのは渾身の遺書がどう読まれるかなのでしょう?

何か、ひとつ、欲しい。世界を半分分けてくれだとか、あの星を取って来てくれだとか、この暗い空を独り占めしたいだなんて言わない。凡庸で半端で他人に冷たい僕にお似合いのものを。

ベッドの上で目を覚ますと、雨音の中に居た。窓から見える灰色に不思議な安心をおぼえた。

東京は、晴れのち曇り。